神秘の曲線:内トロコイド(Hypotrochoid)の魅力を探る

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内トロコイド(Hypotrochoid)


幾何学模様の世界には、数学的な美しさと視覚的な魅力が融合した、心惹かれる曲線が数多く存在します。その中でも特に神秘的な一つが「内トロコイド(Hypotrochoid)」です。今回はこの内トロコイドの正体と、その描かれ方、そして数学的な美しさについて掘り下げてみましょう。

内トロコイドとは?

内トロコイドは、ある大きな円の内側を、小さな円が滑ることなく転がるとき、その小さな円の内部または外部に固定された一点が描く軌跡のことです。

「トロコイド」という言葉を聞き慣れない方もいるかもしれませんが、身近な例で考えると、この曲線が持つ多様な表情を想像しやすくなります。例えば、子供の頃に遊んだ「スピログラフ」というおもちゃを覚えているでしょうか?あのペンが描く複雑で美しい模様の多くは、この内トロコイドや、後述する外トロコイド(エピトロコイド)の原理を利用しています。

内トロコイドが描く図形は、小さな円の中心から点がどれだけ離れているかによって大きく変化します。

  • 点が中心に近い場合: 描かれる曲線は、比較的滑らかで、中心付近で小さなループを描くことがあります。
  • 点が中心から離れる場合: より複雑で、星形や花弁のような美しい幾何学模様が形成されます。時には、いくつものループが重なり合い、見事なパターンを生み出します。

特に、この点が小さな円の円周上にある場合は、ハイポサイクロイドと呼ばれる特別な内トロコイドになります。これは内トロコイドの一種でありながら、さらにシンプルな美しさを持つ曲線として知られています。

内トロコイドの数学的な表現

内トロコイドの美しさは、その背後にある数学的な法則に支えられています。ここでは、その軌跡を表現する式をご紹介しましょう。ご指定の記号を用いて記載します。

定円(外側の固定された円)の半径を rc​、 動円(内側を転がる円)の半径を rm​、 回転角を θ(定円の中心から動円の中心への線が x 軸となす角度、ラジアン)、 動円の中心から描画点までの距離を rd​ とした場合、

内トロコイドの点の座標 (x,y) は以下のように表されます。

A=(rc-rm) , B=(rc-rm)/rm

x=A×cosθ+rd×​cos(B×​​θ)

y=A×sinθ−rd×​sin(B×θ)

この式の中で、

  • A: これは、定円の中心から、転がる動円の中心までの距離を示します。
  • B×​θ: この部分は、転がる動円が自身の中心の周りをどれだけ回転したか、その角度を表します。
  • rd​: 軌跡を描く点が、転がる動円の中心からどれだけ離れているかを示す重要な距離です。この rd​ の値を変えることで、内トロコイドの模様が大きく変化します。

まとめ

内トロコイドは、数学的な厳密さと視覚的な魅力を兼ね備えた、非常に興味深い幾何学曲線です。身近なおもちゃから、より複雑な機械設計に至るまで、その原理は様々な場所で応用されています。ぜひ、この美しい曲線が織りなす無限のパターンを想像してみてください。

変数を変えた場合にどのようになるか?

上記の式を使用して、「rc,rm,rd」の変数を色々と変更した結果を示します。

⇒⇒⇒⇒トロコイドプロジェクト

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